mon, sep 14, 2015

後輩の葬儀のあと、ヤスシは駅のホームで上着を脱いで肩にかけた。
ポケットに入れていた数珠が床に落ちて乾いた音をたてた。
九月。朝起きたときは肌寒かったが、いまは日が照っていて暑い。車窓から遠く山の端がにじんでる。よく晴れた空に雲が斜めにかかっていた。
後輩は病床にいながらケータイを握りしめて仕事をしていたそうだ。ヤスシは事務所に戻ったらきょう中に仕上げないといけない仕事が残っていたが、どうにもやる気がしない。
乗換駅のホームに降りて階段を上り始めたとき、ケータイが鳴った。マナーモードにしてなかったことに気づいて冷や汗がでたが、気を取り直して電話に出た。現場からだった。